楽譜の#♭♮の読み方と音の変化の仕方について

こんにちは。
ピアノ講師の“やまもりのくま”です♪

ピアノ初心者の方に向けて
楽譜の読み方を解説しています。

 

これまでの「音の高さの読み方」や「加線のある音符の読み方」で、
普段私たちが目にする書き方で書かれた白い鍵盤の音は、
すべて読める
ようになっています(^^)

(何だか含みのある言い方ですが、
このページを最後まで読み終えたときには、この意味がご理解いただけると思います。)

 

さて、今日は音の高さを読むときに「難しい」と感じてしまう、
あの黒い鍵盤たちの読み方について。

楽譜の記号で言うと
#(シャープ)や♭(フラット)、♮(ナチュラル)などの変化記号のお話です。

 

あなたのその楽譜にもありませんか?

もしかして、それらの記号が苦手だったりしますか?

#、♭、♮がわからない
でも、もう大丈夫。

ここにたどり着いていただいたからには、
#も♭も♮もお任せください!!

 

あなたのために、できるだけ分かりやすくお伝えします。
きっとあなたの楽譜に対する「?」が
「!」に変わることをご実感いただけると思います(^^)

上がる? 下がる?

小難しい話を始める前に、
音楽で使われる「言葉」についてご説明します。

 

これ、音楽をしている人は自然と使っていて
わざわざ取り上げて話すことでもない、
というか自然過ぎて気が付いていないポイントでもあります。

 

私が子どもたちにピアノを教え始めて気が付いたのは、
この「言葉」をきちんと理解してもらっていないと
話が通じない、ということ。

 

もちろん、子どもだから言葉をよく分かっていなかったのもあるのですが、

・音の高さを表す一般的な言葉
・音楽で使う言葉
・それらが楽譜や鍵盤ではどのような位置関係にあたるか

を、きちんと理解していないと、これからの話がさらに難しく感じます。

 

どういうことかと言うと、
一般的に、音の高さは「高い」「低い」で表します。
今までのページでも「音を高くする」や「低い音」という書き方をしてきました。

これを、音楽ではよく
音の高さを「上げる」「下げる」と表現します。
もちろん、「高くする=上げる」「低くする=下げる」です。

 

音の高さの読み方でもお話しましたが、
この音の高さの高低を楽譜で表すと
五線譜のの方が高く(上がっている)、の方が低い音(下がっている)でした。

 

更に、ピアノの鍵盤上ではどうなっているかと言うと、
に行くほど音は高くなり(上がり)、
に行くほど音は低くなります(下がる)。

 

まとめるとこんな感じです。

楽譜と鍵盤における音の高低

この図のように、大譜表の上段がト音記号で、下段がヘ音記号の場合、
片手ずつ(五線譜ごと)でももちろんですが
大譜表全体としても上の方が音が高く、下の方が低くなります。

 

大人にとっては
音の高低と上下は感覚的に身についていることが多いですが、
ここで改めて、
言葉と楽譜と鍵盤」を一致させる必要があります。

 

これのどこが難しいのかと言うと、
楽譜や言葉では上下や高低、つまり縦の感覚で表すのに、
ピアノの鍵盤では左右に変わること。

ここが感覚として一致しにくいのです。
鍵盤では実際に空間を上下するわけではないですからね…。

 

上がる=右へ
下がる=左へ

 

これをまず覚えておいてください。

本当の隣?

さて、前のページでお話した「オクターブ」。
高さの違う、同じドレミの音でしたね。

音楽の歴史の中で、
音と音の平均的な美しい響きを追い求めていくうちに
この「1オクターブ」の間を、みな大体同じ間隔で
12個に分けるようになりました。

 

具体的には、ドレミファソラシドの8音の中に

  • ドとレの間
  • レとミの間
  • ファとソの間
  • ソとラの間
  • ラとシの間

の5音を加えたものです。
そのまま足すと全部で13音ですが、音と音との間隔は12ですよね。

 

で、この「間の音」というのが、黒い鍵盤の音になります。
黒鍵の音

ピアノの鍵盤をパッと見たときは
白い鍵盤同士が一番近い隣の音のように思えてしまいますが、
その間には黒い鍵盤が挟まっている箇所があります。

 

その黒い鍵盤も含めた「一番近い隣の音」との関係性
音楽の用語で半音(はんおん)と言います。
鍵盤上の半音

ちなみに、ミとファの間、そしてシとドの間には黒い鍵盤がありませんが、
これらの場合、ミとファの関係 及び シとドの関係が半音になります。
一番近いお隣さんですからね。

1オクターブと言うのは、この「半音」が12個集まったものと言えます。

#(シャープ)とは

さて、ここからが本題です。

黒い鍵盤の音を、楽譜ではどう表すのか。

 

先に申し上げておきたいのは、
特に黒い鍵盤の音の表し方は流動的だということ。

 

実はこの黒い鍵盤の音は、
白い鍵盤のように固有の名前を持っているわけではなく、
「ドを半音上げた音」や「ミを半音下げた音」というように
白い鍵盤の音を基準に表します

先ほど「ドとレの間の音」といった書き方をしたのはそのためです。

 

それでは黒い鍵盤を表す記号の1つ、半音上げる記号、#(シャープ)から見ていきます。
#の付いた音
音符に付ける場合は“たま”の左側に書いて、その音符の半音上の音を弾くことを意味します。

この楽譜だと、書いてある音符はソの音。
ト音記号の示すソの音ですね。

 

#は半音上げる記号ですから、鍵盤で気にするのはソよりも右側
「ソ」の右隣りの「ラ」との間には黒い鍵盤がありますから、
ソとその黒い鍵盤が「半音」の関係になります。

 

ということで、先ほどの楽譜は
ソを半音上げた(一番近い右側の)この音を弾きます。
「ソのシャープ」と読み、ドレミで書くときは「ソ#」と書きます。

#の付いた音の弾き方

これが#が付いた音の高さの考え方です。
半音(右へ)上がる、です。

 

また、#は真ん中の□が音符の“たま”の位置にきます。
特に一度にたくさん書いてある場合は、#のお腹の位置をよく確認してください。
#とたまの位置

では、#を付けると音の高さがどう変わるのか、
白い鍵盤の音と聴き比べてみます。

いかがでしたか?
想像していたような音だったでしょうか?

♭(フラット)とは

次は半音下げる記号、♭(フラット)についてです。
♭の付いた音

これも、音符に付ける場合は“たま”の左に書いて、
その音符の半音下の音を弾くことを意味します。

 

この楽譜だと、書いてある音符は先ほどと同じソの音。
♭は半音「下げる」記号なので、鍵盤で見るべきはソの左側

ソとファの間には黒い鍵盤がありますから、
ソに♭が付いているということは
半音下げた(一番近い左側の)この音を弾きます。
「ソのフラット」と読み、ドレミで書くときは「ソ♭」と書きます。

♭の付いた音の弾き方

これが♭が付いた音の高さの考え方です。
半音(左へ)下げる、です。

 

また、♭の場合は半円の部分が“たま”の位置にきます。
♭がどの音に付いているのか、よく見て弾く必要があります。
♭とたまの位置

では、こちらも白い鍵盤のシと弾き比べてみます。
https://youtu.be/5igukUJo6qw
#との「動き方の違い」がお分かりいただけたでしょうか?

♮(ナチュラル)とは

最後に、#や♭の付いた音を元に戻す記号、♮(ナチュラル)です。
♮が付いた音

これも音符に付ける場合は、“たま”の左側に書きます。
元に戻す、というのは「白い鍵盤を弾く」ということ。

 

この例の場合だと、「ソのナチュラル」、
すなわち白い鍵盤のソを弾きます。
ドレミで書くときは「ソ♮」と書きます。

♮の付いた音の弾き方

元々ソに#が付いていたのなら「半音下げて元に戻す」ですし、
ソに♭が付いていたのなら「半音上げて元に戻す」ということになります。

どちらも白い鍵盤に戻っていますね。

<#から♮に戻す場合>#から♮への動き方
<♭から♮に戻す場合>♭から♮への動き方

 

また、ナチュラルも真ん中の□の部分が“たま”の位置です。
何の音を変化させたいのかは、この□の位置で分かります。
♮とたまの位置
ちなみに、この記号が使われるということは
その前に#や♭がどこかに付いていた、ということです。
何も付いていなかった場合には使われません。

#、♭、♮の違い

さて、ここまで3つの記号を見てきましたが、
これら#、♭、♮などは、音の高さを変える記号なので
「変化記号」と呼ばれます。

また、「音の高さの基本的な読み方」のページでもお伝えしていますが、
音符の形や色は、音の高さには関係ありません。
これらの変化記号も同じく、付いている音符の形や色には何の影響も与えません。

“たま”が白でも黒でも、
“ぼう”が上を向いていても下を向いていても、
どっちでもいいんです。

 

関係あるのは“たま”の位置だけ。

ト音記号の第2線に“たま”があればソ、
そしてそのソに#が付いていれば半音上げ、
♭が付いていれば半音下げます。

#、♭、♮の違い
#、♭、♮の実際の音の違いはこのようになっています。
https://youtu.be/mj8xHnsZ5P4
別々で聴くより、3つの記号の違いがはっきりとお分かりいただけると思います。

もちろん他の音でも考え方は同じですし、
変化記号はト音記号の楽譜でもヘ音記号の楽譜でも使われます。

 

また、最初の方で黒い鍵盤のことを
「〇と●の間」の音と表現したように、
1つの黒い鍵盤を「〇の#(〇より半音上)」「●の♭(●より半音下)」と表すことができます。

例えば「ソとラの間の音」は、「ソの#」であり「ラの♭」でもあります。

 

そして楽譜を読む際に大事なことは、
記号の□や半円の位置を確認するということ。
変化記号が出てきたときは、どの音に付いているかを正しく見る必要があります。

変化記号の2種類の使われ方

さて、#や♭、♮とはどんな記号かを見てきましたが、
これら変化記号の使われ方には2種類あります。

 

「臨時記号」「調号(ちょうごう)」です。

 

頭に「???」が飛び交っていそうですが、
大丈夫(^^)
このまま読み進めていただければ、
少しずつ分かるようになります。

 

どういうことかと言うと、
#は半音上げる、♭は半音下げる、♮は元に戻すという機能はそのままに、
書かれている場所が変わるのです。

 

具体的には、
「音符(たま)の左に付けて、直接音の高さを変える場合(臨時記号)」

「音部記号の右に付けて、間接的に音の高さを変える場合(調号)」があります。

 

重要なのは、言葉を覚えることではなく
楽譜に書かれた記号たちがどのような意味を持つかを理解するということ。
同じ変化記号でも、書かれている場所によってちょっと意味合いが違います。
1つずつご説明しますね。

「その時だけ」の臨時記号

これは、先ほど#と♭、♮の説明で見ていただいた例のように、
音符の左側に付けて、その音を半音上げたり下げたりする場合です。
臨時記号

他の音には付いていないのに、いきなり出てきて「何この記号!?」と思うやつです。
楽譜にこの子たちがいると、身構えてしまうことがあるかもしれませんね^^;

 

この臨時記号、名前の通り
「一時的に、その時だけ」使われる記号です。

 

臨時記号の効力の範囲
    1. 臨時記号が付いた音の小節内のみ
    2. 臨時記号が付いた音とその音より右の、同じ高さの同じ音
    3. その後同じ音に別の臨時記号が付けば、そちらの方が優先される
    4. その五線譜のみ

小節というのは、縦線から縦線までの間のこと。
次の小節の音には影響しません。

 

文字にすると上記のようになるのですが、
あなたの楽譜に臨時記号があった場合、どのように考えたらよいのでしょうか。

例として、下の楽譜の音符たちは
それぞれどの音を弾くのか、ちょっと考えてみてください。

臨時記号の読み方


↓番号をクリックすると下にある解答の画像と解説が切り替わります。

        

➀【解答】白い鍵盤のソ 音符の読み方
【解説】
➀は、何も付いていないので、白い鍵盤のソを弾きます。
ト音記号の示すソですね。気になるのは右側にある♭。ですが、臨時記号は音符の左側に付く決まりなので、➀の右側にある♭はこの音には適用されません。↑一覧に戻る
➁【解答】ソ♭ ♭の付いた音符の読み方
【解説】
➁は、♭が付いているので半音下げて弾きます。半音下げるということは、鍵盤では一番近い左側の音を弾く、ということ。この音の場合は、音符が示す音の高さは「ソ」ですが、
ソの左側にあるファとの間には黒い鍵盤がありますので
で示した黒い鍵盤が「ソ♭」ということになります。↑一覧に戻る
➂【解答】ソ♭ 音符の読み方
➂は、何も付いていませんが、
➁で同じ高さの同じ音に♭が付いており、かつ同じ小節内(縦線で囲まれた範囲)なので、この臨時記号(♭)が有効となります。ということで先ほどと同じ「ソ♭」です。↑一覧に戻る
➃【解答】ソ# #の付いた音符の読み方
【解説】
➃は、今まで♭が付いていた音に、#が付いています。この場合、右側にある音符の臨時記号が優先されますので、♭の効力はなくなり、#が有効となります。新しく付いた臨時記号を読む場合、前の臨時記号を考慮する必要はありません。今回の場合、元々♭だから半音下げていたけど、#は半音上げる記号だから・・・
前の音(♭の状態)から半音上げたら元の白い鍵盤では???
と考えたくなるのですが、そうではない、ということです。#や♭などの臨時記号が付いている音符は、
その音符の元々の音の高さ(白い鍵盤の音)を基準にしています。たとえ前に別の臨時記号が付いていたとしても、新しい臨時記号と半音を足し引きはしません。ということで、白い鍵盤のソから半音上げたの音になります。↑一覧に戻る

➄【解答】白い鍵盤のソ 音符の読み方
【解説】
➄は、➃で#が付いた音と同じ「ソ」の音ですが、
高さが違います。よって臨時記号の効力は及びませんので
➀より1オクターブ低い、白い鍵盤のソを弾きます。↑一覧に戻る
➅【解答】ド♭(=シ) ♭の付いた音符の読み方
【解説】
➅は、今までと違う音に♭が付いています。
1小節の中で、複数の音に臨時記号が付くことはよくあります。この➅の音は「真ん中のド」ですね。
ドの鍵盤の左側を見ると、黒い鍵盤がありません。
ということは、一番近い左隣の「シ」の音が「ド♭」ということになります。・・・大丈夫です。
#や♭が付いたからと言って
必ずしも黒い鍵盤を弾くとは限りません
。最初に少し触れた「普段あまり見ない形での白い鍵盤の表し方」というのはこれのことです。♭の意味は「半音下げる」。
半音とは「一番近い隣の音」のこと。
この原則にあてはめて読んでいけばいいのです。#や♭を付けて、結果として白い鍵盤の音を表すこともあります。

 

「#や♭は黒い鍵盤を弾く」と覚えている方も多いかと思います。
このような、黒い鍵盤が隣にない音を「例外」として覚えてもいいのですが、
原則を覚えておくと応用が利きます。
それぞれの記号の本来の意味を、よく思い出してください。

↑一覧に戻る

➆【解答】白い鍵盤のド 音符の読み方
【解説】
➆ですが、この音は下段に書いてありますので、左手の音になります。
ちょっと分かりにくいですが、加線の間隔が下の五線譜の幅と同じですよね。
ということは下段の音ということになります。そしてヘ音記号が書いてあるので、この音は上段にある➅と同じ「真ん中のド」。
同じ高さの同じドレミの音なので、♭を付けるのかな?と思ってしまうのですが・・・ここで気にすべきは「4.その五線譜のみ」。
今回の場合ですと、大譜表の上段に付いた臨時記号は
たとえ同じ小節にある同じ高さの音でも、下段には適用されません。ピアノの楽譜は「大譜表」と呼ばれ
上下2段で1つの楽譜としていますが、
臨時記号の適用範囲は「五線譜ごと」
要するに右手だけor左手だけ、ということになります。ということで、この➆の音は
前の➅の音と同じ高さの同じ音ですが、五線譜が違うので
白い鍵盤のドを弾くことになります。

↑一覧に戻る

➇【解答】白い鍵盤のド ♮の付いた音符の読み方
【解説】
➇には、♮(ナチュラル)が付いています。
前の音に目を向けると、➅で同じ高さの同じ音(真ん中のド)に♭が付いていますね。➇の♮は、この➅の♭を無効にし、元の高さに戻す記号ですので
白い鍵盤のド(➆と同じ音)を弾きます。↑一覧に戻る
➈【解答】白い鍵盤のソ 音符の読み方
【解説】
最後に➈ですが、この音の前に縦線がありますね。
ということは、この音は次の小節の音である、ということです。➈の音はト音記号の示すソです。
この音は前の小節で最終的に➃で#が付いたままになっていました。
ですが、小節が違うので適用されません。
ということで白い鍵盤のソを弾きます。この頃の楽譜はほとんど、
臨時記号の効力が切れたことを示してあることが多いです。
➈の場合だと、♮が書かれていることがあります。たまに(カッコ)の中に書いてある臨時記号を見かけることがありますが、
あれも本来は書かなくても良いけれど、
分かりやすいようにとわざわざ書いてある臨時記号になります。↑一覧に戻る

 

このようにして、実際の楽譜を読んでいきます。
臨時記号が付いた音は、素直にその記号の意味に従って読めばよいです。
また、臨時記号の効力は、非常に短く部分的であることがお分かりいただけたかと思います。

効力がずーっと続く「調号」

一方、調号はと言うと、
音部記号の右側に付いています。

調号
音部記号とは、ト音記号やヘ音記号のことでしたね(^^)

ここに#や♭が付いている場合は
特に指示がない限り、その曲中ずーっと
#や♭が付いた音を半音変えます。

 

しかも、高い音も低い音もすべて。
右手の音でも左手の音でも、
とにかく調号が付いている音はすべて変化させます。

 

調号の効力の範囲
        1. その曲中ずーっと
        2. 音の高さに関係なく、付いた音(同じドレミの音)はすべて変化させる
        3. 特別な指示があった場合は、その指示の方が優先される

「調号」というのは、
「ある音を中心とした明るい(あるいは暗い)曲ですよ」
ということを表している記号なのですが、
この部分については「音の名前」や、前半に出た「半音」などへの深い理解が必要になってくるので、今は考えなくていいと思います。

そういうことを知っているに越したことはないですが、
記号が示す意味さえ知っていれば
本格的な知識がなくてもピアノは弾けます。

 

音部記号の隣に#や♭が付いていれば、それらの音はすべて変化させる。
これだけ覚えておけば大丈夫です。

 

また、ピアノで使う大譜表(上下2段の楽譜)の場合、
上段と下段は同じ調号になります。
右手と左手で調号が違うということはありません。

調号における特別な指示

特に指示がない限り、と先ほど言いましたが
今付いている調号が無効となる場合が2つあります。

 

1.臨時記号が付いた場合

力関係で言うと臨時記号の方が強いです。

調号が基本としてあって(あるいは調号がなくて)、
その上で更に変化させたい音に臨時記号を付ける形になります。

 

調号が付いている音に臨時記号が付いていた場合、
調号は無効となり臨時記号が有効となります。
どの臨時記号でも、です。

そして臨時記号の効力がなくなれば、調号をまた付けます。
調号として#や♭が付いている音は、
臨時記号の効力が切れても白い鍵盤には戻りません。

 

2.調号が曲の途中で変わる場合

調号が何もないところから#や♭が付いたり、
元々何個か付いているところから数が減ったり、
はたまた♭系から#系に変わったり・・・と
その変化の仕方は様々ですが、

変わった後は、その新しい調号(右側)に従って読み進めます。
また、調号が変わるときは、縦の二重線が書いてあります。
(この二重線は、曲の区切りを表すものです)

こちらの例で、それぞれ何の音に調号が付いているか、
そしてどのように弾いたらよいのか確認してみてください。


↓番号をクリックすると下にある解答の画像が切り替わります。

 (1) (2) (3)

調号の変化する楽譜
調号のない楽譜の読み方
調号に♭が付いた楽譜の読み方
調号に#が付いた楽譜の読み方

調号と臨時記号がある楽譜の読み方

さて、同じ#や♭でも、書いてある場所によって
2種類の使われ方があることをお伝えしました。

調号と臨時記号の違い

調号と臨時記号の違い

臨時記号の欄に見慣れない記号がありますが、
あれらはダブルシャープ、ダブルフラットと言って
それぞれ半音2こ分変化させます。

初級の楽譜ではまず出てこないので、また別の機会にお話ししようと思います。

 

さて、2つの使われ方についておさらいしたところで、
調号と臨時記号のある楽譜の音の高さを確認してみましょう。

おそらくあなたがお持ちの楽譜は、調号が付いていることの方が多いと思います。
ルールは分かったけれど、「こんな時どうしたらいいの?」の
考え方についてお話しします。

 

調号と臨時記号のある楽譜の読み方

まず、読み始める前に調号を確認します。
この楽譜は調号として#が3つ付いています。
ごちゃっとしていて見にくいですが、左からファとドとソです。
#の□の位置を確認するんでしたね(^^)

基本的にはこの3つの音が出てきたときは、
高さに関係なくシャープを付けます。
右手も左手も、です。

 

では、そのことをふまえて読んでみます。
以下に正解と解説を載せています。

↓番号をクリックすると下にある解答の画像と解説が切り替わります。

       

➊【解答】ソ#
【解説】
➊ですが、これは“たま”がソの位置にあるので、調号の#が付きます。
ソ#、つまり半音上げた黒い鍵盤の音ですね。↑一覧に戻る
➋【解答】ミ#(=ファ) #の付いた音符の読み方
【解説】
➋はミの音です。
ミには元々調号はありませんが、臨時記号の#が付いています。
なのでミ#ですが、ミの右隣りにはファしかありませんので
ミ#=ファとなります。↑一覧に戻る
➌【解答】白い鍵盤のド(♮) ♮の付いた音符の読み方
【解説】
➌はドの音です。
ドの音は調号が付く音ですから、本来ならば#を弾くべき音。
ですが調号<臨時記号なので、この音に付いている♮の方が有効となります。ナチュラルは「元に戻す」、つまり白い鍵盤を弾く記号なので
この場合は白い鍵盤のドとなります。↑一覧に戻る
➍【解答】ソ♭ ♭の付いた音符の読み方
【解説】
➍はソの音です。
ソの音は調号が付く音ですから、#を付けたいところですが
臨時記号の♭が付いているので、そちらが有効となります。ソが#だったんだから、それに♭を付けると・・・
#を半音下げると白い鍵盤に戻るのかな?と考えてしまいがちですが、
楽譜を読む側が、前の音と比較して半音を足し引きすることはありません。つまり、#が付いていれば「白い鍵盤から半音上げた音」を弾けばよいし、
♭が付いていれば「白い鍵盤から半音下げた音」を弾けばよい、ということです。ということで、白い鍵盤のソから半音下げたの音になります。↑一覧に戻る
➎【解答】ソ♭ タイのついた音の読み方
【解説】
➎は、縦線の右にある音なので、次の小節の音です。
この音の高さを読むには、実は今までにお話したことのない記号が関わっています(スミマセン)。➍の音から曲線がかかっていますよね。
また別のページで詳しくお話しますが、この記号は「タイ」と言います。「タイ」とは「2つ以上の音をつなげて1つの音にする(音の長さを長くする)」記号です。
この場合は、➍と➎の音をつなげて1つにしています。1つにする、ということは、もちろん音の高さも同じです。
小節をまたいでいますが、タイの方が優先
なので➎の音もソ♭ということになります。↑一覧に戻る
➏【解答】ソ# 調号がついた音符の読み方
【解説】
➏は、➍や➎と同じ高さのソの音です。
♭やタイが気になりますが、➏は次の小節の音。
つまり➍の♭の効力がなくなります。効力がない、ということは
白い鍵盤に戻すのかと思いきや、
ソは調号の#が付いている音です。臨時記号がない場合には調号を付けますから、
この音はソ#になります。
臨時記号の効力が切れていても、調号は曲の最後まで有効です。↑一覧に戻る
➐【解答】ド# 調号がついた音符の読み方
【解説】
終わりが見えてきました。
➐はドの音ですね。
このドの音は➌で♮が付いていますが、
次の小節にある音なので臨時記号が効きません。♮が効かなくなるとは・・・?なんかややこしくなってきてしまったのですが、
これも➏と考え方は同じ。思い出していただきたいのですが、
ドは調号で#が付いている音でした。臨時記号がない場合は調号が付きますから、
この音はド#となります。
「臨時記号の効力がない=白い鍵盤」ではない、ということです。

↑一覧に戻る

➑【解答】白い鍵盤のミ 音符の読み方
【解説】
いよいよ最後です!
➑はミの音。
この音は➋で#が付いていましたが、
小節が変わったので臨時記号の効力が及びません。そしてミには調号がありませんので、ここは白い鍵盤に戻ります。↑一覧に戻る

 

いかがだったでしょうか?

「音の高さ」に関することで一番難しいのはこの「変化記号」なので
ここさえ押さえておけば、音の高さはバッチリです。

個々を見るとすごく複雑に感じますが、
すべて記号の意味や使われ方のルールに従って読んだだけです。

 

音の高さを知るには“たま”の位置と変化記号(調号と臨時記号)をよく見ること。
あなたがお持ちのその楽譜も、この視点からもう一度確認してみてください(^^)

#、♭、♮のまとめ

それでは、変化記号「#(シャープ)、♭(フラット)、♮(ナチュラル)」の重要なところだけ。

 

  • 鍵盤の一番近い隣の音との関係を「半音(はんおん)」と呼ぶ。
  • #は半音上げる(鍵盤では右へ)♭は半音下げる(左へ)♮は元に戻す(白い鍵盤に戻す)記号。
  • 変化記号には「調号」と「臨時記号」の2種類の使われ方がある

 

です♪

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