こんにちは!
ピアノ講師の やまもりのくま(@yamamorinokuma)です♪
さてさて、
先日生徒さんからご質問がありまして…。
何かというと、
シャープ#やフラット♭の効力がどこまでなのかについて。
いえね、
「シャープ#が付いてれば、半音上げる(右側の黒い鍵盤を弾く)」みたいなことは分かっていただけてるんです。
シャープ#→半音上げる
フラット♭→半音下げる
ナチュラル♮→元に戻す(白い鍵盤を弾く)
ですよね。
だけど、そうじゃなくて。
シャープ#が付いている音は、半音上げて弾くのはわかる。
でも、
そうじゃない音もシャープ#付けたりすることがあるっぽい…???
私、以前シャープ#やフラット♭、ナチュラル♮については書かせていただいてるんですけど。
こういう「そもそも」ということではなく、じゃあ実際の楽譜ではどうなん?という。
そこをね。
今日はスッキリさせていただきたいな、と思ってます。
シャープ#、フラット♭、ナチュラル♮の意味やその変化の仕方についてはこちらでご確認いただいて、
ここでは、それらは分かっていただいているという前提の元、お話していきます。
それでは参りましょう!
楽譜の「?」を「!」に♪
このページの目次
- シャープやフラットの効力①なにもない場合
- シャープやフラットの効力②前の音に臨時記号が付いてる場合
- シャープやフラットの効力③後ろの音に臨時記号が付いている場合
- シャープやフラットの効力④調号が付いている場合
- シャープやフラットの効力⑤調号が付いている場合 その2
- シャープやフラットの効力⑥調号と臨時記号がどちらもある場合
- シャープやフラットの効力⑦調号と臨時記号がどちらもある場合 その2
- シャープやフラットの効力⑧次の小節の音はどうなるの?
- シャープやフラットの効力⑨臨時記号が付いた高さの音に更に臨時記号が書かれている場合
- シャープやフラットの効力⑩臨時記号は左手に影響する?
- シャープやフラットがよく分からない場合は…
シャープやフラットの効力①なにもない場合
えーとですね、
まずは「何もない場合」の確認からいきたいと思います。
はい、こちらは、
調号(ト音記号やヘ音記号の横にあるシャープ#やフラット♭)がないこと。
そして、音符にも何も記号がないことから、
どの音も白鍵で弾くことになります。
楽譜って、黒鍵だけでなく、白鍵を弾くのにもちゃんとした理由があります。
つまり、「何もない」ということが「白鍵を弾いてね」という根拠になるんですね。
なので、まずここはきちっと押さえておきたい。
図で書くとこんな感じです。
ここまでは問題ないと思います。
シャープやフラットの効力②前の音に臨時記号が付いてる場合
さてさて、ここからが本題。
今度はこちらの楽譜です。
先ほどと似た形ですが、1つ目のドにシャープ#が付いています。
この場合、2個目のドにはシャープ#が付くか否か???
はい。
この辺りから、何となく分かっているような分かっていないような…?となりそうなのですが、
ここもちゃんとしたルールがあります。
この、音符の隣に付いているシャープ#やフラット♭などのことを「臨時記号」というのですが、
この臨時記号は
・同じ小節内の
・付いた音より右側にある
・同じ高さの同じ音
にも、効力を発揮します。
この3つの条件が全て揃っている場合にのみ、効力を発揮します。
臨時記号は、同じ小節内でも、
「違う高さの同じ音」…今回のパターン2で言えば、「高さ違いのド」には効力を発揮できません。
パターン2の場合、
1つ目のドと、2つ目のドの関係性を見ると、
→同じ小節内にあるので〇
・付いた音より右側にある
→シャープ#が付いた1つ目のドより、2つ目のドの方が右側にあるので〇
・同じ高さの同じ音
となりますので、
2個目のドにもシャープ#が付く!ということになります。
ここまでは大丈夫でしょうか。
シャープやフラットの効力③後ろの音に臨時記号が付いている場合
さて、お次はパターン2とよく似た形ですが、
シャープ#が後ろのドに付いている場合。
こちらはどうでしょう。
ここで思い出していただきたい。
音符の横に付いているシャープ#やフラット♭…つまり、「臨時記号」のルールを。
・同じ小節内の
・付いた音より右側にある
・同じ高さの同じ音
臨時記号は、この3つの条件が満たされた場合にのみ、付くんでしたよね。
では1つずつ確認してみますよ。
→同じ小節内にあるので〇
・付いた音より右側にある
→ここが×。臨時記号は付いた音よりも左にある音には効力を発揮しません。
・同じ高さの同じ音
ということで、この場合前のドにはシャープ#は付かない、ということになります。
OK??
次に行きますよ!
シャープやフラットの効力④調号が付いている場合
ト音記号やヘ音記号のすぐ隣にあるシャープ#やフラット♭のことを、調号(ちょうごう)と言います。
その調号がある場合、シャープ#やフラット♭の読み方はどうなるでしょうか。
調号というのは、
その曲の間中、特別な指示がない限りずっと、
どの高さの音であっても、シャープ#やフラット♭が付いていれば変化させて弾いてくださいね、
という記号です。
今回の場合、「ファ」と「ド」にシャープ#が付いていますから、
ファとドの音符があれば、そのすべてにシャープ#を付けて弾きます。
今回の楽譜だと、「ド」が2回ありますよね。
ですから、その両方にシャープ#を付けて弾くことになります。
よって正解はこちら。
今回の場合は、「シャープ#やフラット♭の読み方②前の音に臨時記号が付いている場合」と、弾く音は同じになりましたね(^^)
シャープやフラットの効力⑤調号が付いている場合 その2
パターン5は、パターン4と何かが違う。
「シャープ#やフラット♭の読み方④調号が付いている場合」とはどこが違うでしょう?
音符だけ見てみると、全く同じ。
でも…?
そう、調号(ト音記号やヘ音記号の隣にあるシャープ#やフラット♭)の記号が違いますよね!
調号が違えば、音は全然違います!!!
パターン5は、「シ」と「ミ」と「ラ」にフラット♭が付いていますので、
この小節内に書いてある音ですと
「ラ」と「ミ」にフラット♭が付くことになります。
ということで、こちらが正解。
まだまだ続きますよ!
シャープやフラットの効力⑥調号と臨時記号がどちらもある場合
ここから複雑になってきます。
パターン6は、こちら。
調号もありつつ、臨時記号もあるパターンです。
調号と臨時記号、どちらを優先させたらよいのか?ということですね。
これは、結論から言うと
「臨時記号を優先させる」です。
つまり、音符の横に付いている記号の方が強いわけです。
調号 < 臨時記号
で読んでいきます。
ですから、この場合、
調号(ト音記号やヘ音記号の隣にあるシャープ#やフラット♭)通りに読めば、「ラ」と「ミ」にフラット♭を付けるところですが、
ミの音はナチュラル♮(元の音に戻す)が付いているので、白鍵を弾きます。
ということで、正解はこちら。
まだまだ行けます???
シャープやフラットの効力⑦調号と臨時記号がどちらもある場合 その2
こちらは確認問題でもあるのですが…
どうでしょう…今まで出てきたパターンで見てきたルールで分かるはず!!
まず、どこを見ますか?
音の高さを読むうえで一番大事なのは、ト音記号なのかヘ音記号なのかってことです。
その次に見るのは、調号(ト音記号やヘ音記号の隣にあるシャープ#やフラット♭)。
見ましたか???
これはフラット♭が3つ。
「シ」と「ミ」と「ラ」に付いてます。
だから、最初のラにはまずフラット♭が付きますよね。
「ド」にはフラット♭はないので白鍵。
「ミ」は調号にフラット♭が付いているのでミ♭。
また出た「ド」も調号がないので白鍵。
そして、最後のラは、ナチュラル♮(臨時記号:音符の隣に付いている記号)が付いているので、このナチュラル♮の方が優先されます。
だから、最後のラは白鍵を弾きます。
基本に忠実に。
これでいいんです♪
シャープやフラットの効力⑧次の小節の音はどうなるの?
パターン7の続きになるのですが、
こういう場合はどうでしょう?
基本的には、調号があるので曲中の「シ」と「ミ」と「ラ」にフラット♭が付くけれど、
1小節目の最後の「ラ」に、ナチュラル♮が付いてて…
次の小節にも「ラ」がある。
この2小節目の「ラ」は、ナチュラル♮が付くの?
それとも、調号のフラット♭に戻るの?
これが問題ですよね。
さて、最初の方でお話した「臨時記号の効力」について。
覚えておられますか?
これですよ、これ。
・同じ小節内の
・付いた音より右側にある
・同じ高さの同じ音
さあ、確かめてみますよ♪
→ここでアウト!小節が変わったら効力を発揮しません。
・付いた音より右側にある
→右側にありますが、小節をまたいでいるのでナチュラル♮にはなりません。
・同じ高さの同じ音
ということで、
「前の小節に付いている臨時記号は、次の小節までは影響しない」
ということが言えます。
これは、記号が変わっても(ナチュラル♮だけでなく、シャープ#やフラット♭、ダブルシャープ(×)やダブルフラット(♭♭)だったとしても)
考え方は同じです。
小節が変われば臨時記号は一旦リセット!
この頃の楽譜には、次の小節の音に丁寧に(この場合であればフラット♭が)書いてあることが多くなりました。
が、本来の読み方としては、
次の小節の音にそのように丁寧にフラット♭が書いてあろうがなかろうが、関係ありません。
臨時記号が効力を発揮できず、調号にフラット♭が付いている音なので、2小節目の「ラ」はフラット♭が付きます。
さあ、あと2パターン!
突っ走っちゃいましょう♪
シャープやフラットの効力⑨臨時記号が付いた高さの音に更に臨時記号が書かれている場合
さて、
このパターン9のポイントは、
臨時記号が付いた音と同じ高さの音(今回であれば「ド」の音)に、
その後別の臨時記号が付いている、という点。
ここまでの問題を一緒に見てきてくださったあなたなら…
きっとそう難しい問題ではないと信じたい><
しつこいですが、
音の高さを知るために
どの楽譜でも確認していただきたいのが、ト音記号やヘ音記号。
今回はト音記号ですよね。
次に、調号(ト音記号やヘ音記号の隣にあるシャープ#やフラット♭)をチェックします。
(パターン8とは違うので要注意ですよ!)
そして、臨時記号(音符の隣にあるシャープ#やフラット♭やナチュラル♮)。
調号より臨時記号は強いので、
調号でシャープ#やフラット♭が付いていても、臨時記号が付いていればそちらが優先されます。
更に、
臨時記号同士でも、右に向かってどんどん上書きされていきます。
ですので、このパターン9ですと、このように考えます。
・最初の「ド」は調号によってシャープ#が有効。
・2つ目の「ド」は臨時記号(ナチュラル♮)が付いているので白鍵を弾く。
・最後の「ド」は臨時記号(シャープ#)が付いているので、またド#を弾く。
そもそもの調号を見落とさないようにしたいですね(^^)
シャープやフラットの効力⑩臨時記号は左手に影響する?
さあ、これでラスト!
最後は、両手の楽譜で見ていきます。
このポイントは、
右手の臨時記号って、左手にも影響するの?
ということ。
結論から言うと、
右手の臨時記号は、左手には影響しません。
(逆も然り)
この臨時記号の効力の範囲ですが、
・同じ小節内の
・付いた音より右側にある
・同じ高さの同じ音
そもそもの大前提として、
「同じ段の」というのが付きます。
「同じ段」とは?
ピアノの楽譜は「上の段が右手」、「下の段が左手」で書かれていますよね。
(決して、「ト音記号が上」で「ヘ音記号が下」、というわけではないんです。→こちらで確認)
臨時記号は、それぞれの段で独立して使われるものです。
つまり、右手の臨時記号は、同じ小節内でも左手にまで影響はしませんよ、
同じように、左手の臨時記号は右手には影響しませんよ、
ということです。
右手に臨時記号(今回はナチュラル♮)が付いていても、左手には関係ないので、
今回の場合は調号(ト音記号やヘ音記号の隣にあるシャープ#やフラット♭)が有効となり、
左手にはシャープ#が付くことになります。
シャープやフラットがよく分からない場合は…
今…
うわぁぁぁぁぁってなってるかもしれません^^;
頭の中、いっぱいかも…。
でも、大丈夫。
楽譜を読んでいて、よく分からなくなったときは
いつでもこのページに戻ってきてください。
(ブクマしとくと見つけやすいです♪)
書いてある記号は違えど、
きっとどれかのパターンに当てはまるはず。
楽譜を読む際のポイントは、
とにかくよく「見る」ことです。
今、あなたがその楽譜から「何を知りたいのか」を明確にして、
その知りたい情報を知るためにはどこを見たらよいのかを知り、
楽譜をよく観察することです。
楽譜は読めるようになります。
大丈夫(^^)
一緒に頑張りましょう♪
ちなみにこんなサービスも行っておりますので、お気軽にご連絡ください(*^^*)
あなたの楽譜にドレミをふります ピアノ講師が読譜のお手伝いをします
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
「他にもこんなパターンがあったんだけど!?」
というのがございましたら、
TwitterのDMにご連絡ください(^^♪
追記させていただきますね!