こんにちは。
ピアノ講師の“やまもりのくま”です♪
ピアノ初心者の方に向けて、
楽譜の読み方を解説しています。
今日は。
「え?左手なのになんで右手???」
・・・これで分かります?
分かったあなたにはドンピシャな記事!
ということで、本日も参りましょう!
楽譜の「?」を「!」に♪
左手なの?右手なの?
左手なのにト音記号ってどういうことー!?
心の叫びが(笑)
えぇ。
そうなんです。
一生懸命右手の読み方を覚え、
やっと読めるようになったかと思ったら
左手で苦戦して。
それでもやっとこさ読めるようになり、
「さぁ!これで楽譜が読めるようになった!」
と思ったその瞬間。
これですよ。↓
ナニコレ。
何で右手が2つなの???
ね。
どう読めばいいのか・・・
というか、そもそもどういうことなのか???
一人で練習していると、
こういうちょっとした疑問、
なんとなくうやむやにしたまま進んでませんか?
レッスンに来ている方でも、
ここで詰まって、全然違う音で練習してきちゃうこと、あります。
大丈夫、あなただけではありません。
右手≠ト音記号、左手≠ヘ音記号
この問題の本質は、
「楽譜の構造そのものをよく分かってない」
ことにあります。
そもそも、ト音記号(右手でよく使われる記号)や
ヘ音記号(左手でよく使われる記号)とは何なのでしょうか?
詳しくはこちらでお話しているので、ザックリまとめると、
どちらも「ある1音」を表している記号で、
「音の高さを決めるための記号でしかない」ということ。
ト音記号やヘ音記号は、
ただの5本の線を
「五線譜」という「楽譜」に変える
非常に重要な記号ではありますが、
「右手で弾くか」「左手で弾くか」を表しているわけではない
ということです。
幼少期などは、
「ト音記号は右手の記号♪」
「ヘ音記号は左手の記号だよ~♪」
なんて教えられた方もおられるかと思いますが、
正しく言えば、それは間違い。
ただ「ト音記号=右手、ヘ音記号=左手」は、
幼少期やピアノ習いたての時に限り、
ある意味正解なんです。
なぜなら、
ピアノ習いたての、あの大きな楽譜を目にしている間は、
そういう楽譜しか弾かないからです。
逆に言うと、
星の数ほどある楽譜の中から
ト音記号=右手、ヘ音記号=左手の楽譜のみを
選択し、練習している、ということ。
でも、それではもっと難しい楽譜に出会ったとき、対処できない。
だって、そもそも楽譜とはそういうものではないからです。
右手=上段、左手=下段
さて、
ト音記号やヘ音記号が、
それぞれ右手や左手を表しているわけではない、
ということはご理解いただけたかと思います。
では、
「右手で弾く」
「左手で弾く」
を表しているのは一体どこでしょうか?
それは、実は記号でもなんでもなく、
「楽譜」そのものにあります。
私たちピアノを弾く人がよく目にする、こちらの楽譜。
五線譜(5本の線の楽譜)が上下段あるこの形を
「大譜表(だいふひょう)」
と言うのですが。
この大譜表の「形」そのものが、
「どちらの手で弾くのか」を表しています。
つまり。
この大譜表の
・上の五線譜=右手
・下の五線譜=左手
なんです。
左側にある記号が
ト音記号だろうが、ヘ音記号だろうが、関係なし。
上段に書いてあれば右手
下段に書いてあれば左手
で弾けばよいのです。
(※特別に記載がある場合を除く)
左手なのにト音記号?その答えは・・・
では、冒頭のこの楽譜。
どう読み取り、どう弾けばよいでしょうか?
補足ですが、
ト音記号は「高音部譜表」とも呼ばれ、
主に高い音を表すときに使われる記号になります。
ピアノの鍵盤で言うと、真ん中のドより右側をよく弾く場合に使われます。
ヘ音記号は「低音部譜表」とも呼ばれ、
主に低い音を表すときに使われます。
ピアノの鍵盤で言うと、真ん中のドより左側を弾く場合ですね。
と、いうことは。
この楽譜は
上段=右手→ト音記号(真ん中のドより右側)
下段=左手→ト音記号(真ん中のドより右側)
と読み取ることができます。
右手も左手も、高い音を弾いてね、ということです。
もちろん、音の高さの読み方も、
右手も左手も
「下から2番目の線上に書かれた音をソ」として
読み進めていきます。
ちなみに、この逆バージョン↓
も、もちろんあります。
こちらの場合は、両手ともヘ音記号で書いてありますので、
右手も左手も低い音を弾いてね、ということになります。
(どちらの手も、下から4番目の線上の音をファと読みます。
詳しくはこちら)
そして更に更に!
こんな楽譜もあります。↓
ウソじゃないです(笑)
こんな風に、
右手(上段)→ヘ音記号(低い音域)
左手(下段)→ト音記号(高い音域)
になっている場合は、
大体、手をクロスさせて弾く時です。
曲によっては、こんな書き方をしている楽譜もある、ということ。
右手か左手か
と
ト音記号かヘ音記号
は別!!
ということがお分かりいただけたでしょうか?
今日のまとめ
こう見ていくと、
「なぁんだ、そんなことかぁ」
と思ってしまうようなことなのですが、
初めて目にしたときは
「え?どういうこと?」
と戸惑いやすいことでもあります。
大事なのは、「楽譜」の本来の姿を知ることです。
ということで、本日のまとめはこちら♪
・左手にト音記号、右手にヘ音記号が書かれることもある
・それぞれの五線譜の左側に書いてある記号(ト音記号かヘ音記号)に従って、音の高さを読んでいく
です♪
少しでも楽譜を読む参考になれば幸いです(^^)