こんにちは、元中学校音楽科教員・現ピアノ講師の やまもりのくま です。
先日、小学校教員をしている旦那に「リコーダーってどうやってお手入れするの?」と聞かれまして。
というのも、子どもたちや保護者の方からリコーダーのお手入れ方法について聞かれたらしいんですよね。
そこで「ここをこうしてあぁしたらいいよ!」と伝えると、「そんなの知らなかった!」と。
そこで、このページでは、小学校3年生の音楽を指導される先生に向けて、
教科書には書いておらずイマイチよくわからない、リコーダーのお手入れの方法についてお伝えします!
このページの目次
リコーダーから出てくる水滴って何?つば?
そもそもですが。
リコーダーを演奏すると、水滴がたまり出てきます。
この水滴って何?と。
これ、実はつばではなくて、水蒸気!
結露による水滴です。
吐く息は温かいですよね。
口を出た息は管を通る際に冷やされて、気体から液体へと変化します。
これがリコーダーから出てくる水分の正体。
特に小学生だと、「つば落ちたー!きったねー!」となりそうですが、そうじゃないんですよね。
「それはつばじゃないよ、お水だよ」と教えてあげてください(^^♪
(さすがにでろ~っとつばを出していれば、つばだろうとは思いますが笑)
リコーダーのお手入れの重要性
リコーダーって今小学生が使うものはプラスチックでできていることがほとんどですし、
お手入れって必要あるの???という声も聞こえてきそうです。
「全然お手入れしてないよ!」という人もおられるかもしれません。
うん、まぁそれでも何とかなるっちゃ何とかなります笑
ただ、リコーダーも立派な管楽器。
先ほども言ったように、管の中には水滴がたまります。
これ、そのまま放っておくとカビになります。
授業で使って、管の中が濡れたままずーっと袋の中に入れっぱなし・・・というのは結構危険です。
あと、管内の水分をそのままにしておくと、だんだん音が出にくくなります。
「なんか音が上手く鳴らないなぁ」
という時には、一度お手入れをしてみるといいと思います。
リコーダーのお手入れ方法①布を使う
「リコーダーのお手入れ」と聞いてまず思い浮かぶのは、
リコーダー専用の棒と布を使ったお手入れではないでしょうか。
「え、棒どこにやったかな」という場合は、Amazonで棒だけ購入することもできます。(掃除棒といいます)
この掃除棒の先には、布をかけるための穴が開いています。
その穴にガーゼを通し、リコーダーの中の水分を取ります。
この時、ただ通すだけでなく、掃除棒の先端にガーゼをぐるりと巻き付けると、リコーダー内も傷つかず水分も取れてよいですよ。
で、いざこの掃除棒をソプラノリコーダーに入れよう・・・としてみると分かるんですが、
これ、リコーダーの穴が小さくてまず入らないんですよね(^_^;)
これはもう・・・何と言うか
「物理的に無理!」
って感じです。
じゃあガーゼあってもお手入れには使えないの?というと、そうではないんです。
ソプラノリコーダーって組み上がった状態で手元に届くので、ご存知ない方も多いのですが、
実は分解できるんですよ・・・!
教科書にはリコーダーの各部の名前が載っていますが、各管が外れるなんて!
ということで、それぞれを分解すると布が入るようになります。
頭部管(吹き口)に布を巻き付けた棒を入れるとこんな感じ。
ただ、ほんと中部管(穴がいっぱい開いている管)や足部管(下の管)は細くて入りにくいです。
そこで、まずはお手入れする管だけを持ち、
ガーゼをかけて、
上から掃除棒を突っ込み、
グググッと押し込むと奥の水分まで取れます。
中部管も同じやり方でお手入れできます。
中部管は2/3ほど太い方から入れてお手入れして、反対側(細い方 )から残りの1/3をお掃除する感じです。
これで、リコーダー内の水分を取ることができました。
リコーダーのお手入れ方法②窓に指を添えて息を吹く
今ご紹介した布を使ってのお手入れ方法は、授業の終わりや長期休み前など、「しばらく使わないよね」という時にはぜひやってもらいたい方法なのですが。
「いや毎回そんなご丁寧なことやっとられんわ!」
という声も聞こえてきそうです。
いや~ただでさえリコーダーの授業なんてわっちゃーってしやすいのに、いちいちお手入れまで面倒みきれますかと。
(分解しようものなら、リコーダーが机から落ちる未来しか見えん!(;∀;))
できればもっと手軽にチャチャッとお手入れできたらいいですよね?
ということで、ここでご紹介するのはもっと簡単な方法!!
それはこちらです!
ジャン!
これは何をしているのかと言うと、リコーダーの窓(ウィンドウ)と呼ばれる、吹き口のすぐ下にある空気の通る穴に指を添えて、思いっきり息を吹き込んでいます。
こうすることで、管内にある水分が下へと送られます。
この時、リコーダーの下から水分が出ますので、ガーゼなどを当てておくと良いです。
かなりしっかり吹き込んで大丈夫。
窓に指をきちんと当てていれば、「ピーッ」という音も鳴りません。
この方法は、リコーダーをたくさん練習していて急に音が出にくくなった時にも有効です。(水分が管内にたまっている場合)
私自身、よくこの方法やってたなぁと。
中高生になればアルトリコーダーになりますが、それらでも同じ方法で水分を排出できます。
小学校の日頃の授業であれば、授業の最後にこの方法で管内をキレイにすれば十分かなぁと思います。
が、それでも気になる!って方は、ぜひ上の布を使ったお手入れをしてみてくださいね(^^♪
リコーダーのお手入れのための布はどうやって揃える?
リコーダーのお手入れ方法を2つご紹介しましたが、どちらの方法もガーゼなどの布があると便利です。
ガーゼを家庭から持ってきてくださいね、ということができればそれでもいいのですが、
クラスで、あるいは学年でそろえましょうとなった場合、なかなか数をそろえるのは難しかったりします。
ガーゼって意外といいお値段するんですよね・・・。
(使い捨てでよければ、カット済みの200枚入りガーゼというのもありました!)
うちの旦那の場合も、「学年で揃えたい」とネットを見ていたのですが、
「(金額的に)ちょっと学級費では準備できんなぁ・・・」と悩んでいました。
私もどうするのがいいのかなぁと思っていたのですが、
「晒し」で代用するのはどうかな、と提案しました。
我が家にたまたま晒しがあったから(一時布オムツにハマってたんですよね~)というのもありますが、
晒しは水分をよく吸収しますし(だって布オムツ)
何より切りっぱなしでも大丈夫!
(布端の処理をしなくても使えます)
むしろ布端の処理をしていない方が、ゴワゴワしておらず掃除棒の穴に通しやすいと思います。
大人数だと数をそろえるのが大変ですが、晒しなら1本でかなりの数がとれます。
上の写真のガーゼは25cm×25cmで赤ちゃん用のものですが、ちょっとソプラノリコーダーには大きいかなぁというくらい。
もっと小さくてもいいですし、長方形でも問題ないと思います。
ちなみに晒し一反は10mで、幅が33cm。
一人に25cmずつ取ったとしたら、40人分の布が用意できます。
20cmずつなら50人分とれますね。
もし幅を半分にすれば、16.5×25cmのサイズで80人分になります。
晒し自体は1000円ちょっとなので、人数が多いほど家庭への負担も少なくて済みます。
(先生方にはカットの手間がかかってしまいますが・・・(´;ω;`))
家庭で用意してもらうのが理想的ですが、もし学級や学年で揃えたいという場合は、こんな方法もあるよ~というご紹介でした!
リコーダーに付いてるクリームはどう使うの?
リコーダーを購入すると、小さい丸い容器に入ったクリームが付いていることがあります。
このクリームのことを「グリス」といいます。
このグリス、どうやって使うの?と聞かれたので
手順をまとめてみました。
まず、グリスは中部感の両端に使います。
↓この部分です。
グリスを指にとり、
接合部にだけ塗っていきます。
反対側の接合部にも塗ります。
塗り終わったらこんな感じ!
ちょっとつやつやしてるのが伝わりますかね?
この状態のまま、頭部菅と足部管に差し込みます。
アルトリコーダーをしまう時であれば、キャップをかぶせたらよいです。
このグリス、どんなタイミングで塗ればいいのかというと、
お手入れで分解したときにが1つの塗るタイミング。
あとは、
右手の小指がなかなか届かない!と
足部管をぐるっと回すことがあるかと思うのですが、
その時に動きが悪ければ(キシキシするようであれば)グリスを塗るとよいです。
さいごに
Amazonを見ていると、掃除棒・布・グリスのセットもあるようですね!
ちなみに、リコーダーをつけおきして洗う方法もあるようですが、
何年もリコーダーと付き合ってて私は一度もしたことがないです笑
つけおきは、本格的にお手入れしたいときだけでいいと思います。
(あとお下がりであげるときとか)
リコーダーのお手入れをして、楽しくリコーダー吹いていきましょう♪
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