こんにちは。
ピアノ講師の“やまもりのくま”です♪
ピアノ初心者の方に向けて
楽譜の読み方を解説しています。
今日は「音の高さの読み方」の続きです。
前のページで「加線」についてお話をしました。
五線に上下第3線までを加えると、これだけの範囲の音が読めるようになります。
五線だけの場合よりも多くの音の高さが読めるようになりましたが、
白い鍵盤でまだ表せていない音が鍵盤の両端にありますね。
(黒い鍵盤の音については、次のページでお話します)
加線に制限があるわけではないので
もっと本数を増やして書いても問題ないのですが、
多すぎると読みくくなります。
今日は、ものすごく高い音・低い音を表すときに使うと便利な
「“8va” オクターブ記号」についてお話します。
そもそも「オクターブ」って何?
早速聞きなれない言葉ですが、
「オクターブ」というのは音と音の、ある高さの関係性を示す言葉です。
ある高さというのは、
例えばドとド、レとレ、ミとミ・・・といったような
「同じドレミでも高さの違う音同士」のこと。
ピアノには鍵盤が88鍵ありますが、
その中身は「ドレミファソラシ」の繰り返しになります。
そうすると、同じ「ド」でも「高さの違うド」が何ヶ所か存在することになります。
「ド」は「真ん中のド」だけではないんですね~。
「ド」は全部で8ヶ所あります。
これらの音と音との関係性を「オクターブ」と言います。
一番近いドとドの場合を「1オクターブ」、
二番目に近いドとドの場合(その間に1音ドを含む)を「2オクターブ」、
三番目に近いドとドの場合(その間に2音ドを含む)を「3オクターブ」・・・
と言います。
「1オクターブ」のことは、1を省略して「オクターブ」と呼ぶことも多いです。
特に、ピアノにおいて1オクターブの関係の音を同時に弾くときは、
「オクターブを弾く」と言います。
そしてドに限らず、「同じドレミで高さの違う音同士」であれば
全て「オクターブ」の関係になります。
レとレでも、ミとミでも、ファとファでもそうです。
多すぎて書ききれないくらいあります^^;
楽譜で見る「オクターブ」の関係
鍵盤上で見てみたこの「オクターブ」の関係、
楽譜だとどのくらい離れているのでしょうか。
『Happy Birthday to You』の楽譜を例に見てみます。
これは右手の冒頭の部分ですが、
実は、今までのページを見ていただければ
ここまでの音の高さは全て読めるようになっています。
ト音記号や、音の高さの読み方などを思い出しつつ
ドレミを読んでいきたいのですが、
今回は最初なので、音の高さに目が行きやすいよう
“たま”を赤くしてみました。
音符の形ではなく、“たま”の位置で音の高さが決まるんでしたね。
どうでしょうか?
同じ高さに書いてある音は、同じ高さの音になります。
それでは正解はこちら!
始まりの音は「真ん中のド」でした(^^)
真ん中のドが2つ続いた後、もう1つドがありますよね。
ドレミを書くと高さが分からなくなってしまうのですが、
最初の2つのドよりも、3つ目のドは高くなります。
同じドでも“たま”の位置が違いますよね。
この2つのドの間には、他の「ド」がないので
「真ん中のド」から見れば「高い方のド」は
「1オクターブ上のド」ということができます。
この「真ん中のド」と「高いド」の音の高さを見てみます。
今のところリズムは気にせず、音の高さだけ。
実際に聴いてみると同じ「ド」でもこんな違いがあります。
高さを変える記号?
「オクターブ」の話を延々としていますが、
じゃあ一体この「オクターブ」がどう鍵盤の端の音を表すのか・・・。
「オクターブ」は音と音との関係性だとお話しましたが、
その関係性は「記号」でも表すことができます。
それがこの「オクターブ記号」というものです。
オクターブ記号が書いてあれば、
オクターブ記号の効力内の音は全て
1オクターブ高い音や、1オクターブ低い音で弾きます。
この「効力」の範囲については、また後程詳しくお話します。
1オクターブ高く!
オクターブ記号は主に2種類。
まずは1オクターブ高くする記号から見ていきます。
8vaあるいは8と書かれていますが、
これは「All'ottava alta(アロッターヴァ アルタ)」=「高いオクターブで」の略。
ottavaはオクターブのこと、altaは高いの意味です。
ちなみに英語ではなくイタリア語です。
数字の8は、音程(音と音との隔たり)を数字で表したもの。
ド~ドの間には全部で8音(ドレミファソラシド)あります。
その数字を最初に書きます。
1オクターブ高く弾きたい音の上に、8vaあるいは8を書き、
高くしたい音の分だけ…を右に書いて伸ばします。
最後に、オクターブを終了したい音の上に、カッコを書いて閉じます。
先ほどドレミを読んだ楽譜の、高い方のドを
オクターブ記号を使って書くとこのようになります。
1オクターブ低く!
次は1オクターブ低く弾く記号です。
こちらは「All'ottava bassa(アロッターヴァ バッサ)」=「低いオクターブで」の略。
bassaは低いという意味です。
こちらも数字の8を使って表します。
オクターブ記号が書いてある位置で
高くするのか低くするのか分かるようになっているのですが、
より分かりやすくするために「bassa」を付けてある楽譜も多いです。
1オクターブ低く弾きたい音の下に、8va (bassa)あるいは8を書き、
低く弾きたい音の分だけ…を右に書いて伸ばします。
最後に、オクターブを終了したい音の下に、カッコを書いて閉じます。
この楽譜も、『Happy Birthday to You』の楽譜。
3つとも書き方は違えど、同じ高さの音を表しています。
どれも動画で聴いていただいた音になります。
音の高さがパッと見で分かりやすいのは、
やはりオクターブ記号を使わない楽譜ですね^^;