こんにちは。
ピアノ講師のやまもりのくまです。
今日のテーマは「楽譜にフラットが2つ」。
実はこれ、フラット♭の付く場所によって全然違う2つの意味に変わるんです。
あなたの楽譜はどちらでしょう?
それでは参ります。
楽譜の「?」を「!」に♪
楽譜にフラットが2つ①音符のすぐ左側にある場合はダブルフラット
はい。
まずは音符のすぐ左隣にフラット♭が2つ付いている場合を見ていきましょう。
こんなやつですね。
この「音符の左にある2つのフラット」のことを、「ダブルフラット」と言います。
「ダブルフラット」が付いている音は、半音+半音分、音を下げます。(鍵盤では左に行きます)
フラット2つ分ですね。
「半音」というのは、音と音との高さの関係性を表す言葉の1つです。
下の図のように、白鍵も黒鍵も合わせて一番近い隣同士における音の高さの関係性のことを「半音」と言います。
ドとレが隣同士に見えますが、実はその間にもう一音あるんですよね。
でも、ミとファ、そしてシとドだけは、それぞれの2音が隣同士(=半音)となります。
この辺りがフラットやダブルフラットをわかりにくくしている要素でもあるんですよね。
ダブルフラットの読み方は?
先ほども言ったように「ダブルフラット」は半音2つ分、音を下げます。
前の楽譜は「ソのダブルフラット」なのですが、このように考えていきます。
①まず、ソの半音下(半音分左へ行く)はどこになるのかを考えます。
ソのすぐ左隣に黒鍵がありますので、ソの半音下の音は「ソとファの間の黒鍵(ソ♭)」となります。
②更にもう半音分下がります。
ソとファの間の黒鍵(ソ♭)のすぐ左隣の音というと「ファ」になりますよね。
ですから、「ソのダブルフラット」=「ファ」となります。
ダブルフラットの読み方については大丈夫でしょうか。
でも、「じゃあこの音符のダブルフラットは何の音になるの?」となりますよね。
ということで、1音ずつダブルフラットがついたらどうなるのか、見ていきましょう!
ドにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「ドのダブルフラット」は「シのフラット」になります。
これね、いきなり難しいんですが・・・
考え方は先ほどと同じです。
半音2つ分下がれば(左へ行く)いいだけ。
ただ、ドの半音下(ドのフラット)というのが「シ」の音になるので、
そこから更に半音下がると「シのフラット」になる、ということ。
小難しいことは置いといて、とりあえず上の図の赤い鍵盤を弾くようになります。
レにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「レのダブルフラット」は「ド」の音になります。
レから半音下がり(レ♭)、更に半音下がるので「ド」になります。
ここで挙げている例は、ト音記号で書く「レのダブルフラット」ですが、
どの高さの「レのダブルフラット」でも、そのレのすぐ左にある「ド」を弾きます。
どういうことかというと、「レ」って色んな高さがありますよね。
高い「レのダブルフラット」だろうが、ヘ音記号の「レのダブルフラット」だろうが関係なく、
書いてある高さの「レ」のすぐ左にある「ド」を弾く、ということになります。
ミにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「ミのダブルフラット」は「レ」になります。
これも考え方は同じ。
「ミ」の半音下はミ♭、そしてそこから更に半音下げると「レ」となる、ということです。
ファにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「ファのダブルフラット」は「ミのフラット」になります。
「ファのダブルフラット」は「ドのダブルフラット」と似ています。
ファとミの間に黒鍵がないので、ファとミの音の関係性が「半音」ということになります。
なので、「ファ」の半音下(鍵盤では左)は「ミ」、その「ミ」から更に半音下がると「ミのフラット」になりますよね。
なんか難しくてよくわからないなぁという場合は、上の図の赤い鍵盤を弾く!と覚えていただければ大丈夫です。
ソにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「ソのダブルフラット」は「ファ」の音です。
「ソのダブルフラット」は、ソからまず半音下がる(左へ行く)とソとファの間の黒鍵になり(ファのフラット)、更にそこからもう半音分下がるので「ファ」となります。
ラにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「ラのダブルフラット」は「ソ」の音です。
もうここまで来ると解説いるかな?と思いながら書いてますが、
「ソのダブルフラット」は、まずソから半音下がる(左へ行く)とファとソの間の黒鍵(ソのフラット)になり、更にそこからもう半音分下がるので、「ファ」の音になります。
シにフラットが2つついたダブルフラットはどの音を弾けばよい?
「シのダブルフラット」は「ラ」の音です。
はい!これで最後ですね。
「シのダブルフラット」は、まずシから半音下がり(左に行く)シとラの間の黒鍵(シのフラット)になり、更にそこからもう半音分下がるので「ラ」になります。
これでバッチリですね♪
ちなみに、ヘ音記号のシのダブルフラットでも、ト音記号のシのダブルフラットでも、高さは違うけど「ラ♭」を弾きます。
楽譜にフラットが2つ②ト音記号やヘ音記号のすぐ右側にある場合は調号
それでは次に、もう1種類の「フラット2つ」を見ていきます。
ト音記号やヘ音記号の右隣にフラットが2つある場合は、その曲全体のキーを表しています。
ほら、カラオケなどで「キーを変える」というボタンを上下に動かすと、曲の高さを自由に変えることができますよね。
あれを楽譜に書くときには、こんな風にト音記号やヘ音記号の右隣にフラットやシャープを付けて表します。
この場所に書かれているフラットやシャープのことを「調号」と言います。
んで、ここにフラットが2つついていればどう弾くのか、というと、
「特別な指示がない限り、その曲の間中ずっとどの高さのシとミにもフラットを付けて弾いてね」
という意味になります。
特別な指示ってなんだ?となると思うのですが、その辺りの細かい話はこちらの記事をご覧いただくとして。
ト音記号やヘ音記号の右隣にフラットが2つ付いている場合、「変ロ長調」か「ト短調」の曲になります。
フラットが2つつく明るい曲は変ロ長調
曲って、明るい曲と暗い曲がありますよね。
フラットが2つつく明るい曲のことを、「変ロ長調(へんろちょうちょう)」と言います。
この調は、曲の最後の音が「シのフラット」で終わることが多いです。
全部とは言い切れませんが、ほとんどの曲が(特に初級レベルの曲は)シのフラットで終わります。
フラットが2つつく暗い曲はト短調
フラットが2つつく暗い調のことを、「ト短調(とたんちょう)」と言います。
ト短調は、その曲の一番最後の音が「ソ」で終わることが多いです。
フラット2つのまとめ
「楽譜にフラットが2つ」と一言で言っても、フラットの書いてある位置によって全く意味が違うよ、というお話をしてきました。
- 音符の左隣に書いてある場合は、ダブルフラットといって半音+半音分音を下げる記号となる
- ト音記号やヘ音記号の右隣に書いてある場合は、調号と言ってその曲のキーを決める役割をする記号となる
- フラットが2つつく調号には2種類あって、明るい曲だと「変ロ長調」、暗い曲だと「ト短調」となる
この3点をおさえておけば大丈夫です!
ちなみに、こちらの記事ではシャープ#やフラット♭やナチュラル♮などの記号ってどう読むの?ということをケースバイケースでお話しています。
良かったら読んでみてくださいね(^^)
それではお疲れさまでした!
よくわかった!これはよくわかんない!ということがありましたら、お問い合わせフォームからお声を届けてくださいね。
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