こんにちは、やまもりのくま(@yamamorinokuma)です。
先日、うちのピアノ教室の発表会をしました。
私は発表会で、毎回講師演奏をするようにしています。
今年はリストの「愛の夢」!
「愛の夢」の選曲理由
講師演奏で演奏する曲は、その年の生徒さんの様子を見て決めています。
うちの生徒さんは今は中学生以下がほとんどで、
コンクールなどに出る子はおらず、趣味で弾きたい曲を練習しています。
自分で弾きたい曲を選んでいるので、
クラシック(ピアノ曲)を選ぶ子もいますが、ほとんどがポップスになります。
ポップスというのは元々ピアノ曲なわけではないので、
その曲をピアノで弾けるようにアレンジしてあるものになります。
となるとですね、
どうしても「右手がメロディ」「左手は伴奏」の形になりやすいんですよ。
右手で歌う部分を弾いて、それに合うように左手が付けられている形ですね。
どの程度のレベルにアレンジするかにもよりますが、多くの楽譜がこの形になりやすいんです。
でもね。
ピアノってそういう弾き方の曲ばかりじゃないじゃないですか。
左手にメロディがくることもあるし、
両手で1つのフレーズを演奏することもある。
右手が伴奏をすることもあるし、
手を交差して弾くことだってある。
うちの生徒さんが弾いたことのあるような形の曲ばかりではなく、
ピアノはもっと自由な、もっと複雑な、
もっと奥深い世界が広がっている。
ほとんどの子が5年以上通ってきてくれていて、
そこそこ弾けるようになってきた今だからこそ、
講師演奏を聴いて何か気づくものがあったらいいなぁって。
そう思った時に、
「何か左手が活躍する曲を弾きたいな」と思いました。
Twitterでフォロワーさんにも
「左手が活躍する曲ないですか!?できれば簡単なやつ…」
とお声をかけさせていただいて、検討させていただいたんですが…
(現在5人目妊娠中なのですが、この時つわりがしんどくて弾ける気がしなかったんです…)
しばらく考えているうちに、
と。
私、何のために講師演奏するつもりだったの?
講師演奏って、別になくてもいいんですよ。
ないといけないものではない。
でも、私は最初の発表会から講師演奏は続けていて。
それは、
「生徒さんに練習頑張れって言っているのに、講師が高みの見物してるのは嫌だ」
「講師も自分の演奏を向上させる姿勢を示したい」
ということと、
「ピアノの可能性をもっと知ってほしい」
ということ。
あ、
ただピアノ弾けばいいんじゃなかった。
講師演奏を聴いて、
昔の私がそうであったように、
「あんな風になりたい」
「あんな曲が弾けるようになりたい」
「もっとピアノが弾けるようになりたい」
そう、生徒さんたちに感じてもらうのが目的だったのでは?
と。
そこを思い出したので、
「とりあえず弾ければいい」
「(私にとって)簡単な曲を選ぼう」
という考えは捨てて、
「少し難しくても、生徒さんの気づきを促せる曲を選ぼう」
と、「愛の夢」を弾くことに決めました。
失敗した楽譜選び
そう決めたのは2022年9月の終わり。
やっとつわりが落ち着いてきて、
少しずつ頭と体が動くようになってきた頃でした。
私、普段はクラシックは「本」の楽譜を買います。
紙で見たい、というのもありますし(これは昔からの慣れですかね)
クラシックは本の方が信頼感があるというか。。。
弾いているときは、できるだけ譜めくりを減らしたいので
楽譜をコピーして譜面台の端から端まで広げて、一覧で見ることも多いです。
楽譜は先が見えてないと不安なんですよね。
(弾いてるところより少し先を見て弾いているので)
が。
今回、私、初めてアプリに入ってる楽譜を使ったんですよ。
アプリに入ってる楽譜ってどんなもんかな、というのもあったし、
何より楽譜を選んで買うということ自体がしんどかったんですよね…(つわりのせいにしておこう)
スマホでポチポチするだけなのに。。。
取り掛かるのが遅くなってしまったので、
一刻でも早く練習したいという焦りもありました。
ということで、
初めて使ってみたんですけど…
こうなっちゃいました( ; ; )
うん…
まぁ予想通りというか何というか…
アプリの中に、同じ曲でもいくつかバージョンがあったので、
もしかしたら違う楽譜を選べばよかったのかもしれませんが…
初めて使ってみた感想としては、
「ちゃんと勉強する曲なら本を買った方がいいかな」
という感じではありました…。
参考に楽譜を見たい、ということであれば
アプリでも十分かな、と思います。
で、
この「楽譜のミス」は音間違えだけでなかったんですよね^^;
後からレッスンを受けて気づいたのですが、
アプリの楽譜は表現の記号などもすっぽ抜けていたので
(と言っても、本でも版によって音が違ったり表現が違ったりするので
何とも言えない部分なのかもですが)
得られる情報の量や正確さを考えると、
クラシックを勉強するのであれば本を購入すべし。
という、自分への良い教訓となりました( ;∀;)
誤算…?当然?
さて、9月の終わり(29か30日くらい)から譜読みを始めて、
譜読みが終わったのが上のツイートにあるように10月6日。
この時点で、私若干
「愛の夢」をなめてました…
いや、というのも
譜読みの段階である程度
「あーこれは骨が折れそう」とか
「あ、このくらいなら何日間あれば弾けるかな〜」とか
粗方の目安がつきます。
「愛の夢」は最初譜読みした時に、
「あ〜ベラボーに難しいわけじゃないのね」
「まぁ何とかなるっしょ」
と思ってたんですよね。
ピアノピースでも難易度はEですし(Fが一番難しいとされる)、
練習すれば弾けるようになるよね、と。
しかーしっ!
えぇ。
すっかり考慮してませんでした。
私の普段からの練習不足を(笑)
そして、この曲があの!リスト作曲であることを…
私のリストの思い出といえば…
高校生の頃、『3つの演奏会用練習曲』より「軽やかさ」という曲を弾いたのですが、
これがまぁ難しくてですね。
この曲、途中で右手に「三度の和音」が続く盛り上がりの部分があるのですが、
そのフレーズがどうしても弾けない…。
何度練習しても弾けない…。
で、実はその部分、「アルペジオで弾いてもいいよ〜」と別のバージョンも用意されているので
結局そちらで弾いたのですが、
「とにかくリストは難しい!」
ということを肌身で感じた出来事でした…
(それ以来リストは弾いていなかったんじゃないかな…)
あ、ちなみにその「軽やかさ」の参考音源はこちらです。(この方は難しい方で弾かれてます)
ちょっと話はそれましたが、
譜読みが終わってから
「どの音かは頭では分かってるのに、指が動かん!!」
というモヤモヤが続きます。
頭では、どんな音が鳴るのか、
両手合わせてどんな響きになるのか分かっているのですが、
全っ然体がついていかない!!
弾けないので、もちろんテンポも上がりません。
これは…
間に合わないな…
と、一抹の不安が頭をよぎります。
更に、クラシックを弾くのも久しぶり。
ヤヴァイ。
これは…一人で仕上げられる気がしない…
ということで、
レッスンを受けることにしました。
動画レッスンのメリット
「ピアノの先生」だったら、
もう人に教えられるくらいなんだから
演奏することに何の不安もないのでは?
と思われるかもしれません。
でも、実際にはそんなことはないです。
世の中にあるすべての曲を弾く事は不可能ですし、
音楽の追求に終わりなどありません。
何歳になっても勉強することばかりです。
おそらく、「ピアニスト」と呼ばれる方々でさえそうです。
「弾ける」ということにあぐらをかかず、常に勉強されていることと思います。
実は私、大学を卒業してから師事する先生に出会えず、
10年以上、フラフラとしていました。
地元は遠いですし、
大学の先生はご退職されました。
そして私自身も、
結婚して地元からも大学からも離れた田舎に住み、
引っ越してから割とすぐ1人目を妊娠・出産したこともあり、
新しい土地で先生を探すのが難しかったんです。
あとは…レッスンを受けたいと思っても、
子どもが小さいことや田舎に住んでることがネックになり、通うことがままならなかった。
レッスンを受けたいという気持ちはあっても、
それができる状態ではなかったんですよね。
んが。
コロナ禍になり、音楽業界にもITの波がきました。
動画やリモートでレッスンを受けるということが、
以前より活発にできるようになりました。
とは言え、
個人的にはやっぱり対面レッスンだよねとは思っているのですが、
私の今の状況からすれば「レッスンを受けられるだけラッキー」
でもあります。
中でも、対面やリモートなどと違い「時間に縛られない」動画レッスンは、
今の私にとってはピッタリでした。
対面レッスンができないからと言って何もしないよりは、
動画レッスン受けた方がいいよね、と。
レッスンを受けたい気持ちはあった、
だけど状況的なことや、
そもそも「師事したい!」と思える先生になかなか出会える機会もなかった…
そんな私がTwitterで出会うことができたのが、
山根浩志先生でした。
「愛の夢」の練習動画大公開!
山根先生との出会いや、
私がなぜ「先生のレッスンを受けたい!」と思ったか…
その辺りはちょっと一言ではお話できず長くなるので
別の機会にと思っているのですが、
山根先生のことを少しご紹介させていただくと、
- ピアニスト
- 山口出身
- 国立音大卒
- 数々のコンクールでの入賞歴あり
- 国内外で演奏会をされている
- 若い頃からコンクールの審査員をされている
等々…
すみません、書ききれないので
詳しくは先生のブログのこちらのページをご覧いただきたいのですが、
とにかくすごい。
んで、
私の性格上、経歴がどうとか有名な方に師事してたとか
どっちかというと、そういうのではなく
最終的にその方の「言動」や「演奏」を聴いて
付いていきたいかどうかを判断してます。
演奏はその人自身を表します。
Twitterで聴いた山根先生の音色に一目惚れ(一聴惚れ?)したので
今までも時々動画レッスンをお願いしてきました。
動画レッスン1回目
で。
普通は…
やっぱ「講師」という肩書きがあると、それなりにプライドがあるというか…
あまりに下手な演奏を世に出すことはないと思うんですけど。
私、そのあたりの感覚鈍ってまして(笑)
というか、
上手く弾けてないときって隠してもバレるし
根本的に指が動いてないという大問題があったので、
「曲想云々の前に、まず弾けるようにするには」
というとこからアドバイスが欲しかったというか。
山根先生は、
「体に無理のない弾き方で、弾きにくいフレーズをラクに弾けるようにする方法」をご存知で、
それをご自身で体得され、実践されている方なので、
まずはそういう体の使い方の面でアドバイスをいただけたらな、と。
そんな気持ちでレッスンを受けました。
そのときの動画がこちら。
えっとぉ…
いやいや、自分でもよくこの動画送れたな、と感心しちゃうくらいではあるのですが…
(せめてもうちょっと弾けるようになってから送れば良かったのですが…いかんせん弾けないことに焦ってました…必死だったんですよ…)
この動画に対するレッスン内容を簡単にまとめるとこんな感じ。
- メロディの「歌」を歌うこと(両手でひとつのメロディを演奏するので、つながって歌として聴こえるか)
- ベースと伴奏、そしてメロディとのバランスを保つこと
- 伴奏部分(分散和音)の具体的な弾き方
- 和音の動きを感じること
- メロディのみを抜き出して歌う練習も必要
- メロディの音の響きを聴く
- 連続する2和音や、トリルをもっと楽に弾く方法
- 4和音やオクターブが続く場合の弾き方
- 素早く跳躍する方法
などです。
この「愛の夢」という曲は、
最初はピアノ曲としてではなく、ソプラノ歌曲として作られた曲です。
「歌う」ということがどれだけ重要か、を改めて感じました。
自主練習その1
レッスンを受けた後、練習の様子を呟いています。
この後、ただ指を動かしてとにかく弾く!という段階から
少しずつ表現へ目を向けられるようになりました(^^)
動画レッスン2回目
「愛の夢」のレッスンの返信を最初に受けたのが2022年10月21日。
そこから5日後の10月26日、2回目のレッスンをお願いしました。
すごく良くなった!とお褒めのお言葉をいただき、
とても嬉しかったです♪
このくらい弾けるようになったことで、細かい表現についてもレッスンしていただけました!
今回のレッスン内容は、
- メロディの細かい部分のつなげ方
- メロディの音の響きをよく聴くこと(発音の仕方、音色)
- 和音の変化を感じて弾くこと
- 曲の構成の仕方
- 弱音ペダルの使用
- 動きを止めないこと
- 音の解放感
などです。
今回の方がレッスン内容を文字にするのが難しく
抽象的な書き方になってしまうのですが、
より細かい表現についてレッスンしていただけました!
自主練習その2
動画レッスン2回目をうけて、
次の日の練習の様子はこちらです。
さて、本番まであと2日…
仕上がりますかね…
本番の演奏
2022年10月29日、
第8回目のピアノ発表会を行いました。
その際の講師演奏の様子はこちらです。
最初よりは…!!
最初よりは随分と上達したのではないでしょうか!(自分で言う(笑))
ミスも多々ありますが、
それよりも音楽の醍醐味である「表現」に自分の意識を向けられたのが
大きな変化かな、と思います。
演奏を聴いた生徒さんとその子のお母さんから、
「感動した!」
「鳥肌立ったー!」
と言っていただき、頑張って講師演奏をした甲斐があったな、と思えました。
私は「ピアノ講師」として、
そんな演奏ができたらいいな、と思っていたので
演奏が終わりホッとしたのと同時に、とても嬉しかったです。
でね。
今回こんな形で(恥ずかしくて最初のはTwitterにも流せなかった)練習風景を公開したんですけど…
いいんですよ!
講師だって人間だもの!
誰だって最初から上手なわけじゃないんです。
その演奏の裏には、
見えないけれど、地道な練習と自分との戦いがあります。
たった数分のその演奏のために、
何十時間、何百時間という練習の積み重ねがあるんです。
私はその練習に誇りを持ってます。
弾けないことは何も恥ずかしいことじゃないです。
それだけ伸びしろがあるってことなので、むしろ面白い♪
まだまだ私も成長できるな、と思ってます(^^)
そしてこの度、レッスンをしてくださった山根先生には
大変感謝しております。
私一人では前に進めなかったと思います。
技術的にも、表現的にも。
たった2回のレッスンでしたが、最初の状態から考えると
ほんとレッスン受けてよかった…!!と思っています。
私の演奏の変化を通して、
「動画レッスンって…どうなの?」
「どの程度のレッスンをしてもらえるの?」
ということも、少しはお伝えできていたら嬉しいです(^^)
そんな山根先生のTwitterはこちら♪
動画レッスンについてはこちらをご覧くださいね♪